【カメルーン通信No.16】
~ニコデム~
私が居る所は日本などの先進国から見れば発展していないのかもしれませんが、途上国から見れば発展している方だと思います。飢餓で苦しむとこともないし、ある程度の生活もしているので。ただ、それでも途上国に居るのだなと感じることもやはりあります。
私の友達にニコデムという人がいます。元々エコアジョンに住んでたのではなく、北部から仕事をしに来た人で、カメルーン人の裕福な家庭のお手伝いさんみたいな仕事です。その家の畑を耕したり、薪を持って来たり、夕飯の準備の水汲みやその水を沸かしたりしています。私の知らないだけで他にもいろいろやっていると思います。近くに住んでいて、人柄的にも良い人で、年齢もある程度近いので私は一番の友達と感じています。
ある日このニコデムが私に言ったことで忘れられないことがあります。それは「俺はエコアジョンを近いうちに出たい。ここじゃ生活が苦しいよ。今他の仕事を探している」という事です。聞くと働いて給料としてもらえるお金は月4000フラン。日本円で約800円。村の一般的な月収入は個人差があるとしても20000~30000万フラン。それでも日本円で4000円~6000円ほど。日本人からすると少ないですが村で暮らすには十分です。
もちろん、ニコデムも自分の農作物も売ったりしているので毎月4000フランのみということはないと思います。ただ、私は今までお金持ちと言われてもずっと否定してきました。日本ではお金持ちでも何でもないからです。
しかしこれをきっかけに色々な人に月給などを聞き始めました。そして思ったのは「やっぱり私は金持ちだ。」という事。もちろん来る前から途上国の人たちに比べれば先進国の人たちはお金持ちという事はわかっていました。そのことは頭ではわかっていました。しかし、現実に見聞きすると感じ方が全然違う。この国では偉くなっていれば全然仕事していなくても、横暴でもたくさんのお金が入ってくる。ニコデムのように毎日たくさん真面目に働いていても少ししか稼げない。「苦しい」。私に何ができるのか、今の自分には何もできないという事を突き付けられました。
ニコデムと奥さん