【マレーシア通信No.10】

 

【マレーシア通信No.10】

~マレー桜~

昨年のことです。
「マレー桜がきれいに咲いていますね。」
入学式の準備が終わって、ほっとしたときに声をかけられました。
エントランスから校庭を見るときれいな花が咲いていました。

マレー桜3

「昨年も咲いていましたか。」

「もちろんです。昨年もきれいでしたよ。」

同僚の先生に言われ、気づいていなかったことがわかりました。

一年目は何もかもわからないことばかりで、周囲の様子にまで目が届いていなかったのです。一昨年、昨年と小学部1年の担任をし、「マレー桜」にお祝いをしてもらいその年度をスタートすることができました。

ローカルのスタッフはこの花を「マレー桜」とか「嘘桜」と言っています。本当の名前ではありません。なぜ、そのように呼ぶのかと聞くと、日本の桜が咲くころに咲く花だからと教えてくれました。

花弁はつながっていて、トランペットのような形をしています。色はピンクや白です。近くで見ると桜とは全く違いますが、遠くから見ると木全体がピンクや白に見え日本の桜を思い起こされます。緑の葉とのコントラストがとても美しいです。

本校のローカルスタッフに聞いても名前はわかりませんでしたが、シンガポール日本人会が出している本で調べて、「テコマツリー」とわかりました。

今年の春にペナン島へ旅行に行きました。そこで「ペナン桜」があることがわかりました。そして、私が住んでいるジョホールでは「ジョホール桜」と呼んでいることもわかりました。同じ花のことを地域で呼び名が違うなんて面白いです。きっと、マレーシアに住んでいる日本人か、日本へ行ったことのあるマレーシア人が呼び始めたのではないでしょうか。マレーシアの学校は1月から始まるので、新学期が桜の季節からスタートするという発想はありませんから。

本年度は3年目となり、ゆっくりと「マレー桜」を楽しんでいます。ただ、天候不順で入学式には間に合わず、4月末になってようやく咲き始めました。20メートルくらいの大木がどっさりと花をつけている様子は圧巻です。

そして、面白いことに年に数回咲きます。しかし、他の時期は春ほどきれいに見えません。桜は春という日本人の性がそうさせるのでしょうか。

今年は小学部6年生の担任をしています。彼らの卒業式に「マレー桜」が咲いてくれることを願いながら、充実した毎日を過ごしています。

マレー桜1

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