【マレーシア通信No.21】
みなさまに支えていただいた「マレーシア通信」も今回が最終回となりました。3年の任期を終え、今月下旬には帰国する予定です。これまでのご支援に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
~第20回 卒業証書授与式~
稲美町小学校の卒業証書授与式は今月の20日以降だと思いますが、本校は今月の11日に実施されました。小学部8名、中学部6名の合計14名が、それぞれの学部を卒業しました。
内容は日本とほとんど同じです。
☆卒業生入場
☆国歌斉唱
☆卒業証書授与
☆学校長式辞
☆来賓祝辞 在マレーシア日本国大使館 公使、学校運営委員長
☆卒業記念品贈呈
☆送辞
☆答辞
☆校歌斉唱
☆卒業生退場
以上が式の流れです。
日本国大使館公使様
送辞は小学部と中学部から代表が1名ずつ発表します。また答辞は最初に小学部8人、次に中学部6人が全員で発表します。小中合わせて、20分ぐらいの長さです。
日本と大きく違っているところは、暑い国なので子どもたちが半袖の服を着用していること、体育館の中は冷房が無いので扇風機が回っていること、日本国旗に並んでマレーシア国旗が掲げられていることなどです。また、卒業生の胸花はオーキッドです。付けたときはとても美しかったのに、式が終わる頃にはしおれてしまうのが、ちょっと悲しいです。
式には、小学部1年生から中学部3年生までの全校生が参加します。入学式の日はじっと座っていることができなかった小学部1年生が、2時間近くもお行儀良くできたことに大きな成長を感じました。暑い中でしたが、体調を崩す子が誰もいなくて、無事に式を終えることができました。
式が終わった後、卒業生は保護者と一緒に写真を撮りました。どの子も緊張から解き放たれ満面の笑みで写真を撮ることができました。
今年は勤務3年目で6年生担任でした。昨年、一昨年は1年生担任でしたので最初は戸惑いもありましたが、素直で賢い子どもたちに日々助けられました。また、保護者がとても協力的で、子どもたちのサポートをしてくださったこともありがたかったです。
現地校(中華系、マレー系、インド系)との交流やマレーシアのことを調べていくうちに、マレーシアに興味を持ち、この国のことがどんどん好きになっていく子どもたちに成長を感じました。今年取り組んだことは以下のようなことです。
〇マレーシアの自然、産業、祝日、言語などについて調べました。(総合的な学習)
〇クトゥパ作りに取り組みました。(図工)
〇マレーシアのローカルフードの調理実習をしました。(家庭)
〇椰子の木やウミガメ、ラフレシアなどを版画で表現しました。
額縁をバティックで作りました。(図工)
〇バティックの柄でナックザックを作りました。(家庭)
〇被爆されたマレーシアからの留学生について学習しました。(国語)
各教科の中に現地の素材を取り入れたことにより、マレーシアへの理解をより深めることができたように思います。子どもたちの学習に現地素材を取り入れたことで、私自身がマレーシアへの理解をより深めることができました。子どもたちと一緒に、マレーシアのことを学ぶことができて本当に幸せでした。
この3年間、健康で意欲的に働くことができたことが何よりの幸せでした。
この地で出会うことができた子どもたち、保護者の皆様、日本人学校の先生方とスタッフ、ローカルの友人たちに、深く感謝を申し上げます。
そして、快く私をマレーシアに送り出し、このような経験をさせてくれた家族にも感謝しています。
ここでの経験を今後の生活の中で活かしていくことが、お世話になった多くの方々へのお礼になると信じて、これからの日々を過ごしていきたいと思います。
ありがとうございました。
大辻 智加子