中谷ファミリーとケットさんとの交流 since2003

情報提供

タイ・バンコク出身のケット(Kate)との出会いは、今年からちょうど20年前の2003年の稲美町国際交流協会のホームステイ事業で始めて出会いました。その時、17歳。外見はまだまだ子供っぽい印象でしたが、話をすると凄くしっかりとした考え方をしている女の子でした。
2003稲美町ホームステイ

留学先は、アメリカにするか日本にするかで、かなり悩んだらしく、最終的には神戸大学に進学することを決めたようです。数年後、彼女から「パパ!日本を選んで良かった!」と屈託のない笑顔で言ってくれました。
学生生活は、持ち前の積極的な行動力を発揮して、勉強は勿論の事、日本語弁論大会で優勝して海外旅行に行ったり、大学の長期の休みには北海道や鳥取の旅館でアルバイトをしながら日本の文化や風習を積極的に体感・吸収したり、大学の軽音楽部に入部してクラシックギターの演奏会に出演したりして、とても、充実した大学生活を過ごしたようです。ただ、彼女の現在の仕事となる「マーケティング&企業イノベーション研究」のゼミでは、かなり苦労したようで、時々「もう大変!先生が厳しい」と私達に愚痴を言ってきた事もありました(笑)
2004お正月

ホームステイ後も学校生活でのこと、友達との旅行のこと、アルバイトのこと、軽音楽部でのこと、ゼミでの先生とのことなどなんでも話してくれる彼女とはその頃には、私達とKateの関係は、すでに“親子の関係”のようになっていて、何でも話してくれる“かわいい娘”でした。
その後は、同大学の大学院に進み商学博士号を取得後、無事に帰国をしました。
2005祝成人(日本にて)

現在は、タイの東大と言われている国立チュラロンコン大学で、学生たちにマーケティング理論や企業イノベーションについての教鞭を取っています。

その傍らで、元来、モノを書くことが好きだったので、「日本」というキーワードで、その知識や経験を生かして日本の関連本(観光本以外)を何冊も書いて文化人的な活動も積極的に行っています。そのためか、現地TV局やマスコミからの出演や出稿依頼もかなりあり、私達も、彼女の出版記念講演やサイン会にも行きましたが、多くの市民や学生たちが列を作っていました。“日本のパパママ”としては、大変嬉しい出来事でしたね。
2018“JAPAN EXPO”の広告媒体

ここで、Kateのタイのご両親について、書かないわけにはいきません(笑)

ご両親とは、この20年間、両国にそれぞれ行った時は、必ず、(言葉の問題もありますが・・・笑)食事をご一緒し、また、泊りがけの旅行に連れて行ってもらう事もありました。特にお母さんは、すごくパワフルなお母さんでこちらがいつも圧倒されてしまいます(笑)
しかし、Kateの教育や躾については、小さい頃から非常に厳しく厳格に育てたと言われていました。我が家で受け入れた他の留学生や親御さんにも良く同じ質問をしますが、やはり、同様の答えが返ってきたのが印象的でした。

「鉄は熱いうちに打て!」ですね。
そして、Kateは30代も過ぎ、更に充実した年頃を迎え、大学では、マーケティングを専攻している学生を引き連れて日本の有名企業をはじめ、世界各国に出かけて学生たちに現場で講義を行ったようです。
ただ、彼女も30代後半を迎えて、私達は「Kateは、もう、結婚は考えてないんだろうな」と思っていた矢先に本人から「パパママ、結婚します!」宣言。
私は、FB等も見ていたので、薄々は感じていましたが、やはりちょっとビックリした半面、とても嬉しかったのを覚えています。
「パパママ、結婚式に参列して!」と言ってきてくれましたが、例のコロナ禍の渦中で、日本から出国する事は叶いませんでした。非常に非常に残念でした。
2022バンコクにて結婚式

Kateとの出会い、留学中の出来事、そして、タイに帰国してからの私達との関係は、濃くなる事はあっても決して薄まる事はありませんでした。
私達は、今回のタイをはじめ、インドネシア、ナイジェリア、モンゴル等計8人の留学生のホームステイを受け入れましたが、ほぼ全員、今でも、LineやSNSを使って近況の報告や連絡をしています。
これは、稲美町ホームステイプログラムから頂いた、素晴らしい関係だと思っています。今、ホームステイで留学生のホストとして一度やってみようかな・・・と考えているファミリーの方は、ホームステイが終わってから生まれる“素敵な人間関係”を考えれば、ぜひ、お勧めしたいプログラムだと思います。
特に、小、中、高校生の子供をお持ちの家庭には、絶対にお勧めしたいですね。

最後にアドバイスをするとすれば、日本とは違う文化(食も含む)や宗教、そして生活様式が違う異国で育った学生との良い関係をこれからも続けて行こうと思えば“お互いの少しの努力”が必要になるという事だけは、覚えておいて欲しいと思います!

中谷直之著

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